織守きょうや

記憶屋3巻 感想

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記憶屋III (角川ホラー文庫)

 

記憶屋さんの正体は誰なんでしょうか?1巻と同じ人なんでしょうか?それとも違う人がいるんでしょうか?まさか記憶屋の正体はここに来て、人間ではない妖怪やお化けのたぐいなんてことはないですよね?

今までのおさらいと続きの感想はこちらから
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記憶屋3巻 感想

記憶を消す記憶屋の仕組みをしっているので、もう怖くもなんともないですね。ホラー文庫から出ている小説ですが、ホラー物ではないですね。今回は誰が記憶屋なのか、1巻と同じ人物なのかどうかというところがお話の焦点でしょうか。

※以下、少しだけネタバレを含む感想です

 

2巻ではすごく嫌味な感じのイケメンシェフだと思っていた人が、意外に純粋でなんかとてもいい人でしたね。ちょっとびっくりしました。存外にかわいい人だったんですね。かわいい恋愛をしているようで応援したくなりました。そしてまさかのそうくるとはの展開でしたね。

 

いい感じで終わっていて安心しました。やっぱりこの作者さんは男の人の2人組を書くのが上手ですね。とても引き込まれる設定でした。そして別に記憶屋はいらなかったじゃんというオチでしたね(笑)青春物のいいお話でした。普通に料理物として続編を書いて欲しいですね。男たちの熱い料理友情物語を期待しちゃいます。

 

記憶屋の正体

おぉまさかそうくるとはといった結末でしたね。おもしろかったです。もうちょっとホラー的な要素や都市伝説的な要素が濃かったら、もっとうれしかったんですけどね。結論としてはそういう能力があっても使わない方がいいんだろうなということですかね。

 

記憶屋を続けなければならない必然性はなかったわけですからね。他人の記憶を食べないと自分が生きられないとかの切実な理由とかがあったらもっとおもしろかった気がしますね。そういう苦悩や葛藤などがあったら、記憶屋にも感情移入できたように思います。

 

あとなぜアイドルのリナちゃんの記憶を消したのに、シェフの毬谷さんの記憶は消さなかったのかが疑問ですよね。自分が共感できるかどうかが判断材料なんでしょうね。それはどうかと思うんですが、結果的には記憶を消してもらったリナちゃんより、記憶を消されなかった毬谷さんの方が幸せになれたような気がします。あとは猪瀬さんが報われないなという気がしてかわいそうでした。

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