佐々木禎子

暁花薬殿物語 感想

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暁花薬殿物語 (富士見L文庫)

 

「暁花薬殿物語」は「きょうかくすりどのものがたり」って読むんですね。「ぎょう」じゃないですね。佐々木禎子さんの「ばんぱいやのパフェ屋さん」のシリーズ小説がおもしろかったので、期待大なんです。楽しみです。

 

暁花薬殿物語 感想

中華系の物語だと思ったら、日本万葉平安系っぽくてよい感じです。素敵な王子様に見初められて結婚して幸せになる!!ということを夢見ないし、それを最終目的にもしない、最近の物語はシンデレラストーリーじゃないところがいいですよね。

 

※以下、少しだけネタバレを含む感想です

 

読み慣れない単語には逐一振り仮名を振って欲しいものです。ページが変わっちゃうと読み方がわからなくなっちゃいます(笑)登場人物としては、秋長(あきなが)さんがいい感じです。この人の登場から読みやすくなった気がしたんですけど、最後まで読むとそうでもなかったですね。残念です。

 

 

ここら辺で物語が一気に進んでおもしろくなると思ったんですけどね。異世界設定だと思ったら、ふつうに百人一首の歌が出てきてびっくりです。この歌は、私がうまれて始めて覚えた百人一首なので、間違いはないと思います。

 

 

いろいろ残念

うーん、つまらないわけではないんですが、そうおもしろくもないという感じでしょうか。テンポが悪いというか、まどろっこしというか、もっと読みやすく軽快に物語が進んでもいいのになと思いました。あと高まった期待が肩透かしみたいに終わる感じが多かったですね。

 

 

おもしろくなりそうと予感させといて、あと一歩のところで及ばないといったところでしょうか。薬関係の知識もそんなに生かされていなかったのが残念です。親しくなった薬生(やくしょう)の人とか必要だったのかな?とか無駄な部分が多くて悲しいです。特に謎解きとかもなかったですし、もっと恋愛物でもよかった気がします。

 

 

キャラは魅力的

キャラは十分に皆、魅力的なのでそれを生かして欲しかったですね。秋長くんとか、もっと素敵な立ち位置になりそうだったのに、いてもいなくてもどっちでもいいみたいな感じになっていて、もったいないです。

 

 

帝ももっとそのキャラを生かせそうだったのに惜しいです。猫ちゃん命婦(みょうぶ)も特に冒頭で登場しただけで、1回も物語に絡むこともなく、残念でした。むしろライバルのお姉さまたちが、輝いていたように思います。

 

 

中華系・平安系後宮ファンタジー

もっと「素敵にジャパネスク」とか、「ざ・ちぇんじ!」「薬屋のひとりごと」「彩雲国物語」「雲のように風のように」みたいなおもしろくって読むのをやめられないみたいな感じになって欲しかったですね。ということで暁花薬殿物語はこれ1冊で完結したと思っていいんでしょうか。続いても特にすることはなさそうですよね?

 

 

お姉さまたちがギラギラしてるってだけな感じがします。というか続編が出ても多分読まないかもですね。期待していただけに残念でした。結局、主人公は薬師にもなりませんでしたし、正后になっちゃっていますし、あの裏表紙にある「降りかかる火の子粉は医薬で振り払う!皇后を目指さない」という、あらすじはなんだったんでしょうか?