城平京

名探偵に薔薇を 感想

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名探偵に薔薇を (創元推理文庫)

ネットで評判がよかった「名探偵に薔薇を」の小説を読んでみることにしました。城平京さんの他の小説「虚構推理」「雨の日も神様と相撲を」とか、漫画原作「スパイラル推理の絆」「絶園のテンペスト」も好きなので、自分好みの物語なんだろうなとわくわくと期待しながら読みました。

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虚構推理 感想

名探偵に薔薇を 感想 

読み終わりました。途中までは、あぁこんな感じのミステリ小説なのねと読み進めていました。が、しかし最後の最後の方でえっ!?何!?どうした!?と頭が混乱しておもしろかったです。真相はどういうことなの!?と、久しぶりにミステリで満足感を得ることができました。楽しかったです。

 

「メルヘン小人地獄」と「毒杯パズル」の2部構成の構造もちゃんと生かされていておもしろかったです。本格ミステリな感じで理論もしっかりしていて、でも読みやすくよかったです。

 

※以下、少しだけネタバレを含む感想です

 

「小人地獄」という響きが怖いですね。でも最近は「こびと」って聞くと「こびと図鑑」が頭に思い浮かんでしまいます。主人公の三橋くん、本当に人がよすぎますね。赤の他人にこれほどまで情をかけてしまうなんてという感じですね。お人よしを通り越してちょっと怖いくらいですよね。他人の家で他人の世話してあげちゃうなんてちょっとびっくりします。

 

事件解決

100ページすぎてやっと探偵の登場です。どうやって名探偵が事件に関わるのかなと思っていたら、あらかじめ名探偵と知り合いということでした。それって結構すごいことですよね、というか便利ですね。

 

名探偵の登場であっという間に事件が解決しました。ですがページ数があと半分残っているので、まだすごいことが残っているのだと期待したいですね。わくわくします。三橋荘一郎さんと瀬川みゆきさんが幸せになるといいなと思いました。鈴花ちゃんもかわいいですけど、まだ子どもですよね。

 

第2の事件勃発

第2部の冒頭にびっくりです。えっ本当?お芝居とかじゃなくて?またここでも小人地獄が出てくるなんて驚きです。なんでポットに痕跡が残らない毒が入っていたことがわかるの?あれは体内には残らないということだったんでしょうか?事件は本当に誰が何のために?不可解ですし、かわいそうです。気になります。どう解決されるんでしょうか?

 

最後に

見損なったぜ三橋さん。と思っていたらまさかの展開でした。三橋さんなかなかすごいお人でした。脱帽です。名探偵さんを支えてあげて欲しいです。いやー最後は怒涛の展開&展開でおもしろかったです。そして真相は切なかったですね。

 

そして久しぶりにミステリ小説で満足感を覚えています。楽しかったです。っていうのも不謹慎ですが物語として楽しめました。あとがきの解説でおすすめされていた、本格推理10巻に収録されている城平京さんの「飢えた天使」という短編小説も読んでみようと思います。楽しみです。

 

飢えた天使

そんなわけで本格推理10巻に収録されている「飢えた天使」読みました。ページ数としてはとっても短い短編小説でした。名探偵に薔薇の解説でされたおすすめポイントどおりのお話でした。ミステリの謎というよりは、人間の心理や感情に重きを置いた作品でした。